与論のハロウィーン?トゥンガトゥンガ

こんにちは!与論に移住したレイです。
今日は与論版ハロウィーン(旦那談)『トゥンガトゥンガ』についてです!

トゥンガトゥンガとは?

移住前から旦那に「与論のトゥンガトゥンガは楽しかった!」と聞かされていた、私の育った場所ではなかったイベント!
旧暦の8月15日の十五夜に開催される、与論の伝統行事で子どもたちが大好きなイベントです。
なぜ子どもたちが大好きなイベントなのかというと、お菓子を大量にゲットできるイベントだからです!
その日、与論では各家庭でお月様にお供え物を用意し、家の前に置いておきます。それを子どもたちが「トゥンガトゥンガー!」と言いながら集めて回るんです。
旦那の言うように「トリックオアトリート!」ハロウィーンの与論バージョンみたいですよね🎃🍬
義父母が幼かった頃は、各家庭でお供えしてある「お餅」を子どもたちが夜こっそり取って帰ってきた行事だったそう。
今はお餅が「お菓子」に変わり、夜に子どもが出歩くのは危ないということで時間帯も学校終わりの時間に変わりましたが、子どもたちが盛り上がる特別なイベントというのは昔から変わらないようです!

私の育った埼玉では、地域独自の特別なイベントって思いつきません。
独特の伝統行事が形を変えつつもずっと残っている地域って、とてもいいと思います!(語彙力なし)
そういった行事に参加できるのは、移住の醍醐味のひとつです!

初めてのトゥンガトゥンガ(旦那を除く)

私と子どもたちは初めて体験するトゥンガトゥンガ!
今年、実際どうだったのかレポートします。

トゥンガ前

今年の旧暦8月15日は9月21日。その1週間くらい前から、スーパーではトゥンガのためと思われるお菓子が大量入荷していました!

 トゥンガ前、とあるスーパーの入り口
ドンキ、かな…?w

我が家の上の子はこども園でもトゥンガについて教えてもらい、毎日「あと○回寝たらトゥンガ!」と言ってずーっと楽しみにしていました!

トゥンガ当日

トゥンガと同じ日の豊年祭

トゥンガ当日は、お菓子を準備するだけではありません。
与論ではこの日、琴平〈コトヒラ〉神社で豊年祭が行われ、島の安寧と五穀豊穣を祈り「与論十五夜踊り」が奉納されます。
「グントゥマージン(太鼓と一緒にと言う意味)」と言って、奉納される踊りの太鼓の音に合わせて神様(与論ではご先祖様)が神社に行く、とのこと。
神社での祭りの他に各家庭でも、自宅の神棚にお供えを準備します。我が家がある城〈グスク〉という地域は、お昼ご飯をお供えします。那間〈ナマ〉地区では晩御飯をお供えするなど、地区によって違いがあるようです。

神棚のお供え(お昼ご飯)

与論十五夜踊りは、国の重要無形民俗文化財に指定されています!
参考:鹿児島県HP「与論十五夜踊り」
与論十五夜踊りは旧暦3月8月10月の15日の毎年3回行われ、一般公開されています。
※トゥンガは旧暦8月15日のみ。

お菓子準備

昔は豊年祭が終わったら、お月様へ備えるお餅を準備するという流れだったそうです。
お月様へのおそなえ、すなわち子どもたちに取られる用のお菓子を準備します。
最近はどこの家庭も、まとめ買いした袋菓子を小分けにして出しているのがほとんどのようです。スーパーに大量のお菓子が並べてあったのも納得。
せっかくなので、我が家は手作りしたお菓子を用意しました!

用意したお菓子を庭先にセッティング

セッティング場所はお月様が見えるところ。
家の近所には、頻繁に泥棒猫がうろついているので庭に面している部屋の窓辺に置こうかと思いましたが「お月様のお供えだから月がみえるところに」と言うことで外に。
我が家は用のない時以外通らないような道にあるので、その道からでも分かりやすい見えるところにおいた方がいいかなと思って、家の中からは見えないけど道から見たときにわかりやすいところに置いたところ「取りにきた子どもの顔が見たいから、家から見える場所に」と言われそのように。
…難しい!!笑
子どもの顔が見たい、楽しんでほしいと言う思いから、お菓子のありかを謎解きして見つける宝探しのようにしているお家もあったんだとか(旦那の子ども時代の体験談)。

子どもたちが帰宅した後

子どもたちが学校やこども園から帰ってきて17時過ぎごろに、うちにも「トゥンガトゥンガ〜!」と元気な声で小学生がやってきました!
こんな分かりにくいお家まで来てくれて感動!!

さて私もこども園にお迎えに行って、子どもたちとトゥンガしに行きます。

集めたお菓子を入れるマイバッグを持って出発。
出発前の家では「トゥンガトゥンガ〜!」とうるさいくらいに叫んでいたくせに、いざよそのお家の前に行くと恥ずかしがって何も言えない上の子…笑

お菓子GET!

お菓子を集めていると、家から出てきて子どもたちに声をかけてくださる人も。
普段お付き合いのあまりないお家の方ともお話しし「移住してきました」と顔を合わせて挨拶できたので、とても良い機会になりました。
都市と比べて元々とても安全な島内ですが、ご近所さんの顔を知っておく、子どもの顔を見せて知ってもらうというのは、より安心して過ごせるひとつのポイントだと思います。
普段、車移動が多くご近所さんとも車の中から会釈する程度がほとんどなので、こういう機会に一言二言でも話したことがあるという実績は大事です!

小さい子どもは、ほとんど親やおじいちゃんおばあちゃんと一緒に回ります。
小学生になってお友達ができるとお友達同士で回ります。
自転車に乗れるようになると自転車でより広い範囲を回るようになっていくみたいです。
お店がたくさん並んでいる茶花〈チャバナ〉の商店街は、お店もトゥンガのお菓子を置いてくれているので、子どもたちの人気スポットだそうです!
小さい子も、車で保護者が茶花まで連れて行く…というところもあるようです。うちは今回近所しか回りませんでしたが、茶花も行ってみたいですね。

集まった大量のお菓子

用意したマイバッグに入り切らないくらいのお菓子をゲット!

トゥンガの小話

その1

この記事では「トゥンガトゥンガ」と書いていますが、正式(?)には「トゥンガモーキャー」というらしいです。
家の人が「トゥンガトゥンガ」や「トゥンガ」としか言わないので知りませんでした。

その2

少し昔、島外から来た教師(?)が「子供に盗みをさせるなんてとんでもない!」みたいなことを言って、トゥンガをやっていなかった時期があったとか…
うーん…言わんとしてることは分からんではないけど、島民が特に子どもたちが楽しんでいる伝統行事・イベントにそんな水をささなくても良いのでは?今では復活してくれてて良かったです!
ちなみに、トゥンガのお供え物がなくなると家の厄が払われたということになり縁起が良いとされているそう。

その3

お供え物は、どこのお家もわりとたくさん置いてあります。
1人1個もらっていく、というのが暗黙のルールというか普通にわかりそうですが、一時期、ちょっとマナーをわかっていない子がいて置いてあるお供え物を大量にかっぱらっていく…なんてこともあったそう。
今では、ほとんどのお家で「1人ひとつまで」と注意書きと共に用意されていました。

おわり

初めてのトゥンガ、とっても楽しかったです。
子どもたちも一生懸命歩いて、お菓子を集めて楽しんでくれました!
来年も楽しみです!(私が)

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村